「東京駅 丸の内駅舎」
長さは335mあり、使われているレンガの数はおよそ970万個にもなります。
設計したのは日本近代建築の父と言われる辰野金吾。
1914年竣工。
国の重要文化財に指定されています。
1923年後に起きた関東大震災は大きな被害はなく乗り越えたものの、1945年、東京大空襲で被災。特徴的なドームと三階部分を焼失してしまいます。2年後、応急処置としてドーム屋根を仮説の八角屋根にし、被災した三階部分を撤去されてしまいます。
その後、高層ビルに建て替える計画が立ちあがりましたが、保存運動が起き、大規模な復原工事が行われて、2012年に竣工当時の姿を取り戻しました。
東海道新幹線や東北新幹線、山手線や中央線など、数々の主要路線が乗り入れる日本鉄道網最大の拠点である東京駅。そんな大ターミナル駅にふさわしい威風堂々した駅舎です。
土台の大きさは縦41ポッチ×横14ポッチ。
駅舎は約36ポッチあります。サイズは屋根のパーツから逆算して決めました。また、赤レンガに白の装飾が細かく施されており、デフォルメしやすいサイズでもあります。
「辰野式」と言われる赤と白の細かな縞模様が印象的ですが、それを完全に再現するのはこのサイズでは不可能なので、そういった部分は全体の印象や雰囲気を見ながら色の配置を決めました。一階部分はえんじ色を強調をするためレンガパーツを使用、逆に二階から三階は白を強調しました。
窓の再現には1×1プレートに黒い線が入ったプリントパーツを使用。アーキテクチャシリーズでは十八番の組み方です。
正面玄関
細かくというよりは雰囲気で再現。
それでも白が印象的な部分や階段は再現し、正面玄関らしさを出しました。
各ドーム
時計は白の丸プレート二つで再現しました。
モデル同様形は左右で同じです。
デフォルメされがちな南ドーム脇の部分も再現しました。
この部分だけ個別で作られていて、1×1テクニックパーツを土台のポッチをはめ込むことで角度をつけています。
また、ホーム側に1×1スロープ、かまぼこ型のタイルを設置して最適な角度でキープできるようになっています。
駅という性質上、ホームも再現しました。
手前が新幹線のホーム、奥が中央線のホームとなっています。
スペースの都合上、かなりデフォルメして、在来線ホーム一つ、新幹線のホーム一つ(東海道新幹線の東北新幹線共有)となっています。
列車はよく見える新幹線のみ制作しました。
青いのが東海道新幹線(N700S)、赤いのが秋田新幹線(E6系)です。見えづらいですが東北新幹線(E5系)も再現しています。
また、東海道新幹線の下には には「煉瓦アーチ高架橋」があります。
構造はかなりトリッキーになっています。
まず、駅舎は基本的にプレートの横組み。
そして、ドームと正面玄関以外の一階は土台に対して上下逆に設置されています。
土台の金の突起に駅舎の十字バー用の穴を差し込むことで固定しています。
一方、駅舎の一階部分にあたるレンガパーツは駅舎本体と高さを合わせるため、上下逆さに台座に設置しています。
本作はとにかくデフォルメと奇数幅のプレートの縦組みの二つに悩まされました。
細かな装飾の多い「東京駅 丸の内駅舎」。
制作当初はできるだけディテールを再現しようと考えていたのですが、制作を進めているうちにそんなことはとてもじゃないけど不可能だと実感しました。そのため、中盤からはモデルを無視して、全体の雰囲気を見ながら赤と白のバランスを決めました。
一方、駅舎は幅が3プレートの縦組みが基本となっていて、高さが普通に積み上げると半プレート違ってしまいます。
また、いろいろな方向にパーツが組まれていて、制作を進めるのもパーツを把握するのも大変でした。
しかし、そうした苦労が作品のクオリティに直結し、外観はもちろん組み方まで納得のいくものになったので満足しています。